ものづくり補助金 大橋幸夫PM

<ものづくり補助金とは>

ものづくり補助金の審査プロジェクトは協会の頃から続いている士会の主要プロジェクトです。ものづくり補助金は主に製造業など、商品を製作・製造する業種向けに設備投資を補助する補助金として年間1000億円の規模で予算が組まれており、今年度は5回に分けての公募を行っています。1社あたりの補助金額は最大1000万円となっており、中小企業にとっては魅力ある補助金となっています。

今回は、士会で受託しているものづくり補助金の審査業務について本年度のプロジェクトマネージャーを務めている大橋幸夫さんにお話を伺いました。

ものづくり補助金の審査は協会のころから受託しており、通算で今年で7年目くらいですが、近年のものづくり補助金の傾向について教えて下さい。

大橋幸夫 PM

ものづくり補助金は毎年恒例補助額がありかなり大きいですよね。ですので製造業を中心に新たな設備投資と事業計画を検討されている企業が申請をしてきます。

申請される設備投資は数千万円のものが多く、中小企業にとっては大きな決断です。補助額も大きいこともあって、かなり綿密に事業計画を書いていますね。

また近年は国としても「中小企業の生産性向上」「賃金アップ」がテーマになっています。申請内容も、どのように生産性が向上するのか、賃金(付加価値)を増やしていけるのか、求められる基準も厳しくなってきています。

公募回数にも変化が出てきました。これまで年2回だけの公募であった本補助金ですが、今年度は公募を5回に分けて行っています。9月までに3回の公募・審査を実施していて、毎回50~100名程度の士会会員に審査員として参加いただいています。

かながわ士会は神奈川県内の申請企業の審査を行います。1案件の審査時間は30~60分程度となり、1人あたり20~50件ほどの審査を行っています。

 

審査員になると診断士としてどのようなことが得られると思いますか?

審査業務は、診断士の仕事としてはマイナーな印象とみられるかも知れませんが、実際には得られることも多い仕事だと思ってます。

まず各企業は自社の事業計画・設備投資計画・収益計画を入念に作り込んでおり、近年はとてもクオリティの高い申請書が多くなっています。ですので中小企業診断士としても各社の事業計画書、財務諸表をしっかり見る事ができるという意味では勉強になる業務だと思いますね。

また、製造業以外にもIT、飲食、サービス、農業など様々な分野からの応募があります。自身の得意分野以外でも事業者がどのように考えて取り組んでいるのか、技術的背景/外部環境を知る意味でも知見の広がる仕事だと思います。本業のコンサルティングなどで企業をサポートする上でも視野の広がる仕事じゃないでしょうか。


初めて参加する方へのサポートはどのようにしていますか?

参加する全ての方には、審査開始前に勉強会を2時間程度設けています。採点基準や審査の考え方も、文章と言葉、実例で詳しく説明しています。また、特に初参加の審査員には持ち件数を少なめにして、PM側からのフォローもしっかり行えるようにいたします。特にコメントの書き方などはコツが必要なので、文例をまじえて手厚く指導できるようにしています。

参加を希望される方へ一言いただけますか

神奈川県の企業を応援しようという心意気のある方にはぜひ参加して欲しいですね。申請企業は自社の将来を真剣に考えて事業計画を作り、補助金申請をしてきています。申請書のクオリティも年々上がっています。

審査業務は自宅でもできるため通常の対面業務に比べて事務的な仕事と捉えている方もいらっしゃるかと思います。しかし間接的なアプローチであるものの、その会社の成長や企業価値をアップできることをサポートできる意味ある仕事だと思います。ぜひ次回以降も参加していただければと思います。

ありがとうございました

聞き手:広報部。記事の内容は2020年11月時点のものです。