製造業も自社ECで顧客とつながる。 顧客の声を直接聞いて売上UP!

支援企業概要

従業員20名ほどの木製製品メーカー。
自社木製製品や企業からのOEM生産を行っている。
木製製品の製造メーカーとしてはかなり老舗で、木製製品の設計・加工技術がすぐれており、自社製品は百貨店などでも取り扱われている。

経営課題

卸問屋を経由して小売店での販売がほとんどであったが、最終顧客である消費者の声がわかりづらいと考えていた。
また、卸問屋に任せるには数が少ない昔の在庫品などをどう販売していくかといった課題を抱えていた。

支援のポイント

顧客アンケートを行い、自社の良さ、顧客の期待を確認
今までの商流を大切にしながら、自社独自の販路として自社ECを採用
自社EC含め、商品の紹介にHPやSNSを活用

支援内容

まずはすでに小売店で販売されている商品群に顧客アンケートを封入することから始めました。
可能な限りコストを抑え、かつ顧客が回答しやすい方法を検討した結果、Webアンケートフォームを作成、製品にはアクセス用のQRコードを封入する方法をとりました。
回答集計の手間も減り、顧客と直接つながる第一歩として、顧客の考えがわかり始めました。

顧客アンケートを行いながら、新たな販路として自社ECサイトの企画を進めていました。
その際に、可能な限り既存の商流、卸問屋と小売店の売上に影響が出ないような方法を考えるようにしています。
まずは、卸問屋が取り扱っていない製品をEC限定品として販売することとし、顧客と直接やり取りが必要な名入れのサービスなど自社ECだからできる商品展開を行っていきました。
また、自社EC運用にあたり、発送業務にあたる部門と広報部門の連携については、改めて確認を行いました。

自社ECに取り組む以前より、HPやSNSは活用しており、情報発信も行っていましたが、改めてその内容や頻度を検討し、より積極的な活用を進めていきました。
特にSNSでの情報発信は一朝一夕で成果が出るわけではありませんので、広報を担当する従業員のかたのがんばりが大きかったと感じています。また、以前より継続的に続けていたことも好材料となりました。
HPやSNSを活用する際には、興味を持ったユーザーがスムーズに自社ECへたどり着けるような工夫が必要です。わかりにくいからユーザーが離れるということがないように注意していきました。

成果

売上獲得と+αの成果

HP、SNSでの情報発信を積極的に行ったためか、比較的早い段階で自社ECでの売上獲得につながりました。
売上のほかに、顧客と直接つながり、顧客の声が得られるようになったのが大きな成果です。商品に関する疑問やわからない点などの問い合わせは今後の情報発信に役立てることができますし、売れ筋商品などのデータを直接確認することで顧客嗜好についての理解も深まっていきました。
従来の商流と組み合わせて、さらなる商品展開へとつなげることができています。

濱田 良祐

支援した中小企業診断士

従来の商流でもかなりの売上がある状況でしたが、そこに満足せず自社ECやSNS活用など全社的に取り組んでいただいたことが成果につながった最大のポイントだと感じています。
自社ECの構築や運用での注意点、SNS活用のポイントを提供することで、効果的に取り組んでいただけました。

神奈川中小企業診断士会