HACCP思想に基づく食品製造工場設計建設支援
支援内容の概要
プロフィール
吉澤 正一
食品製造業の生産技術部門・工場責任者等を経て現在中小企業の生産性改善支援、HACCP導入支援などを行っています。
支援先の業界・規模:食品製造業 126 年商40億円
経営状況・課題
当社は、香川県小豆島内に約3万坪の自社農園を有し、うちオリーブ2万坪、その他柑橘類等を栽培している農業生産法人である。売上高ベースでの当社の商品群構成は、オリーブオイル及びオリーブオイル化粧品・食品、自社柑橘類の飲料等である。オリーブオイル市場は、健康志向やオリーブレシピの人気を背景に急成長してきたが、オリーブ商品だけではいずれ頭打ちが予想されオリーブオイル以外の事業基盤構築が必要であった。
<Before>
<After>
改善ステップ1
HACCPに基づくレイアウトの設計
既存の工場においてはレイアウト上の制約等によりゾーニング区分が困難であり交差汚染の危険が常にあったが、新工場においては原料搬入口、包材搬入口、製品出口を別々に設け工場内外の動線をHACCPに準拠したものとした。工場内は、汚染区・準清潔区・清潔区にゾーニングし、殺菌工程があるドレッシング工程においては殺菌温度・時間及び金属異物検知をCCP(重要管理点)としてモニタリング管理している。
改善ステップ2
事業拡大の為の工場設計と投資採算性評価の確認
オリーブオイルドレッシングと柑橘類ジュース及びジャム類の過去5年の生産販売のトレンドを分析し、将来の生産販売を検討する中で新工場の生産規模、ライン構成等の方向付けを行った。新工場建設に係る法規制その他諸課題を整理しながら見込まれた設備投資額に対する経済的リターンは採算ベースに見合うかどうかをIRR(内部収益率)の算出により定量的に評価して企業側の最終的な意思決定につなげた。
改善ステップ3
在庫管理・生産管理に関する既存システム活用の妥当性評価
支援の主要なテーマは、新工場の設計建設であったが、製造業において適正な在庫管理・生産管理ができる仕組みは必ず必要である。既存のERPシステムの中で新工場の管理を行うことが出来るか現状分析を進め最終的には既存のシステムで運用可能であることを確認し管理システムにおける新たな投資はせずに新工場稼働に至った。
成果
オリーブや柑橘類収穫の繁忙期である10~12月以外の時期にオリーブ加工品工場の一角にてオリーブオイルドレッシングや柑橘類ジュース、ジャムなどの加工食品を生産していたが、事業基盤を整える為に小豆島内にHACCPに準拠した新たな食品製造工場を建設し、オリーブ関連商品の効率的な生産体制、HACCPに基づく品質管理体制を構築した。
本件に関するお問合せ
プロフィール
吉澤 正一食品製造業の生産技術部門・工場責任者等を経て現在中小企業の生産性改善支援、HACCP導入支援などを行っています。
経営状況・課題
当社は、香川県小豆島内に約3万坪の自社農園を有し、うちオリーブ2万坪、その他柑橘類等を栽培している農業生産法人である。売上高ベースでの当社の商品群構成は、オリーブオイル及びオリーブオイル化粧品・食品、自社柑橘類の飲料等である。オリーブオイル市場は、健康志向やオリーブレシピの人気を背景に急成長してきたが、オリーブ商品だけではいずれ頭打ちが予想されオリーブオイル以外の事業基盤構築が必要であった。<Before>
<After>
改善ステップ1
HACCPに基づくレイアウトの設計既存の工場においてはレイアウト上の制約等によりゾーニング区分が困難であり交差汚染の危険が常にあったが、新工場においては原料搬入口、包材搬入口、製品出口を別々に設け工場内外の動線をHACCPに準拠したものとした。工場内は、汚染区・準清潔区・清潔区にゾーニングし、殺菌工程があるドレッシング工程においては殺菌温度・時間及び金属異物検知をCCP(重要管理点)としてモニタリング管理している。
改善ステップ2
事業拡大の為の工場設計と投資採算性評価の確認オリーブオイルドレッシングと柑橘類ジュース及びジャム類の過去5年の生産販売のトレンドを分析し、将来の生産販売を検討する中で新工場の生産規模、ライン構成等の方向付けを行った。新工場建設に係る法規制その他諸課題を整理しながら見込まれた設備投資額に対する経済的リターンは採算ベースに見合うかどうかをIRR(内部収益率)の算出により定量的に評価して企業側の最終的な意思決定につなげた。
改善ステップ3
在庫管理・生産管理に関する既存システム活用の妥当性評価支援の主要なテーマは、新工場の設計建設であったが、製造業において適正な在庫管理・生産管理ができる仕組みは必ず必要である。既存のERPシステムの中で新工場の管理を行うことが出来るか現状分析を進め最終的には既存のシステムで運用可能であることを確認し管理システムにおける新たな投資はせずに新工場稼働に至った。
支援コメント
支援先企業は、自社栽培生産品に高い付加価値を付け、飲食店のオープンや直営販売店舗、通信販売などの独自の販売方法を立上げ目を見張る事業展開を遂げてきました。まさに6次産業化の先鞭を切った事業展開であると言えると思います。一方で急成長してきたが故に生産体制や品質管理体制に係る側面では多くの課題がありました。課題の一つとして食品安全の世界基準であるHACCPに関しては知識がなくアドバイザーの存在は有益だったのではないかと感じています。